意識が浮上した。
「…ん…?」
上半身を起こしてあたりを見回した。
「……ここは?」
何処かの草原に自分はいたらしい。
だが、自分はさっきまで戦場にいた。
そう、自分はソレスタルビーイングの1人、
ロックオン・ストラトス。だ。
「じゃあ、ココは天国っていうのか?」
「こんなところが天国だと、貴様は思うのか?」
「!?!?」
どうやら、自分だけではなかったらしい。この天国だと思われる場所に。
その言った人物は、
ヒラヒラのマントに白のタイツを着た少年。
何処かの絵本に出てくる王子様。
……だが、
目つきの悪さは自分の所にいた刹那を思い出す。
「おめでたい頭だな」
こちらが黙っていると、罵倒が飛んできた。
…あぁ。刹那だけではなく、ティエリアにも似ているのか。
「……あんたは誰だ?」
「何故、貴様みたいのに答えなければいけない。
なら、お前は言えるのか?自分が何者かだということを」
「……ロックオン・ストラトス、だ。コレでいいのか?」
「…………」
「な、なんだよ」
彼は此方をジッと見ている。
何か、彼を怒らせることを言ったのだろうか……
ふぅ。と、彼がため息をついて言った。
「偽名か」
「……」
「黙っているなら、肯定となすぞ。
……なら僕も偽名で名乗らせてももらう。リオン・マグナスだ」
彼は偽名で名前を言った。それでも、彼の名前が分かってよかった。
……偽名だが。
「…ん?どうしたシャル。…………そうだな。そうであって欲しいな。
だがアイツはバカだからな。直ぐ目的を見失うだろうな」
何だか、リオンは独り言を言い始めた。
「あぁ、やはりお前にはシャルの声が聞こえないか」
オレの視線に気付いたのか、リオンはこちらを見て言った。
…というか、“シャル”って誰だ?
「正式な名はシャルティエ。
ピエール・ド・シャルティエ。ソーディアンと呼ばれる古代兵器の一本だ」
そう言ってリオンは、腰に差していた剣を抜いて、俺に見せた。
「…そーでぃあん…?何だそれ。というか、いいのか。俺に見せても」
「どうせ、世界が違う。知っていても問題は無い。……なんだ、シャル。…………」
リオンはそのソーディアンと呼ばれているシャルティエと話しているのか、
段々と、眉間に皺が寄ってきている。
……あぁ、やっぱり。ティエリアに似ている。
「僕はアイツのような、能天気で馴れ馴れしい奴が大嫌いだ」
「そういっている割にはお前、心なしか笑っているな」
「!?………黙れシャルっ!」
リオンはため息をついた。
「やはり、アイツも連れてくるべきだったか…?」
リオンは空を見上げた。
「…なぁ、リオン。さっきから言ってる“アイツ”って誰だ?」
「誰が貴様みたいな奴に言うか」
「即答ですか……」
オレは頭を垂れる。
「ただ1ついえるのは、アイツは僕の恋人だ」
そう言ったリオンの瞳は優しい目をしていた。
…それだけ“アイツ”のことが好きなんだな。
オレがアレルヤが好きなように……。
「お前も好きな奴がいるのか?」
「へっ!?」
突然のリオンの言葉に、オレは変な声を発してしまった。
「そうゆう目をしていた」
リオンはオレの方を見ずに、前を見ていた。
「やっぱり分かるか?俺にも好きな奴が居たんだよ。だけど、置いてきちまった…」
オレはさっきリオンがしていたように空を見上げる。
そこには、雲1つ無い青々とした空が広がっている。
「…僕もお前も、大切な人物を置いてココに来たということか」
「……早すぎるよな~。まだ、色々なことしたかったんだけどな」
「………」
「………」
それから数分。どちらも一言も喋らなかった。
「では、僕は行く」
「行くって何処にだよ」
既にリオンはこちらに背を向けていた。
「地獄だ」
「おいおい…」
「僕はこんな所にいてはいけないんだ。
僕には地獄が似合っている。それで、お前は?」
「俺、か……。アイツを待ってみる……って、お前は待たないのか?」
「アイツがココに来ることは無い。……なら、もう会うことは無いだろうな」
リオンは歩き始めた。地獄に向って……。
「さらばだ。ロックオン・ストラトス」
「…あぁ」
リオンとロックオンの邂逅。
但し、最初で最後の出会い。
あ、結構、長くなった。
というか、長くなってる。
本当は、もう少し短くなると思ったんですが…。
……余談ですが、
このあとハレルヤと、
少し経ってからクリス、リヒティが来ます。
クリスとリヒティはイチャイチャしながら来ます。
……アレ?
これ、続くのか…??
…続けてみようかな……。
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